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よしもとばななさんの「海のふた」。
ドラえもん色の表紙がとてもきれい。
伊豆のさびれた片田舎でかき氷屋さんを開業した女の子のお話し。
とても好きな本。
とても共感する本。
日常に疲れると読みたくなる本。
明日からがんばろうと思える本。
そんな本です。
好きな箇所の抜粋。
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夢をかなえるだなんだのと言っても、毎日はとても地味なものだ。
準備、掃除、肉体労働、疲れとの戦い。先のことをかんがえること
との戦い。小さないやなことをなるべく受け流して、よかったことを考
え、予想のつかない忙しさを予想しようとしないようにし、トラブルに
はその場で現実的に対処する……。有線でいいチャンネルがなけれ
ば、自分でCDを編集して流しておく。面倒でも洗い物はていねいに
やっておく。麻のふきんは白く清潔に保つ。氷は少し多めにいつも注
文し、決してほかのものの匂いがつかないように管理する。「普通の
氷はないのかね?氷いちごとか」と百回くらい聞かれて「すみません、
そういうのはうちにはないんです」と百回くらい笑顔をつくる。そういう
細かいことにひたすら追われるだけだ。それがつまり、夢をかなえる
と世間で言われていることの全貌だった。
~ 中 略 ~
氷をけずり続けるというのは、ともて地味な作業だった。
しかしその地味さの向こうにあるものを、私は見つめ続けた。
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農業もかき氷屋さんに負けず劣らず地味だ。
この本に出合えたこととこの本を紹介してくれ人と
この本を書いたよしもとばななさんとこの本の出版
に携わった人に感謝しながら、明日もがんばろうと思う。