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         海のふた

 

よしもとばななさんの「海のふた」。

ドラえもん色の表紙がとてもきれい。

 

伊豆のさびれた片田舎でかき氷屋さんを開業した女の子のお話し。

 

とても好きな本。

とても共感する本。

日常に疲れると読みたくなる本。

明日からがんばろうと思える本。

そんな本です。

 

 

好きな箇所の抜粋。

=============================

 夢をかなえるだなんだのと言っても、毎日はとても地味なものだ。

 準備、掃除、肉体労働、疲れとの戦い。先のことをかんがえること

との戦い。小さないやなことをなるべく受け流して、よかったことを考

え、予想のつかない忙しさを予想しようとしないようにし、トラブルに

はその場で現実的に対処する……。有線でいいチャンネルがなけれ

ば、自分でCDを編集して流しておく。面倒でも洗い物はていねいに

やっておく。麻のふきんは白く清潔に保つ。氷は少し多めにいつも注

文し、決してほかのものの匂いがつかないように管理する。「普通の

氷はないのかね?氷いちごとか」と百回くらい聞かれて「すみません、

そういうのはうちにはないんです」と百回くらい笑顔をつくる。そういう

細かいことにひたすら追われるだけだ。それがつまり、夢をかなえる

と世間で言われていることの全貌だった。

 ~ 中 略 ~

氷をけずり続けるというのは、ともて地味な作業だった。

しかしその地味さの向こうにあるものを、私は見つめ続けた。

==============================

 

農業もかき氷屋さんに負けず劣らず地味だ。

この本に出合えたこととこの本を紹介してくれ人と

この本を書いたよしもとばななさんとこの本の出版

に携わった人に感謝しながら、明日もがんばろうと思う。

 

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